XELAのチラシの裏

Twetterで長文投稿ができないので開設、主にチラシの裏的なことを、生活の何かの役に立てば、アニメの知識に関しては地上波アニメを見ている程度、昔は3DCGとかGIFアニメとかも作ってた(才能がないので断念)

ケムリクサ雑感 -「けものフレンズ」から解き放たれた獣-

 

 

たつき監督が「けものフレンズ」から離れるという報道を知った時、私はとても悲しく落ち込み、Twitter誤報かどうか確かめていた。

おかしい、ありえない、何かの間違いだ、冗談だ、たつき監督も吉崎観音カドカワのスタッフは間違った判断をした と。

 

けものフレンズ」の出会いは最初からではない。

他の人と同じようにふたばスレで話題になっているということなのでネタのつもりで見ようとしたのが最初の出会いで、最終回を見るころにはニコニコのirodoriの投稿動画をすべて見てしまった。

 

もちろん「傾福さん」のDVDも買った

 

そして「けものフレンズ」から離れて作ったのが「ケムリクサ」だ。

 

 

早速見たがひどい作品だ。

 

 

アニメが始まる前に監督が趣味の動画を上げる、ネタバレだ。

そして1話が始まったと思ったらは前もって告知していたOPも最後に流れた、しかしワンフレーズだけ、宣伝していたnanoさんはどう思ったのか気の毒である。

しかもアイキャッチもなく次回予告もない。

2話はどうだ、その前に、次回予告は監督がツイッターで流していた、いくらアニメに入らないとはいえ雑では?やっとOPかと思ったら最後に流れてきた、歌詞に「ケムリクサ」と入っているからいかにもなアニソンだ。

3話、最悪すぎる、まさかEDがあったとは、なぜ前もって流さないんだ!

 

・・・はっきり言って滅茶苦茶な構成だ、正直覇権は取れないだろう。

「エガオノタイカ」を見てみろ、ちゃんと1話でOP、EDを流しているし、次回予告も流している。

 

「ケムリクサ」は今後どんな無茶をやるのだろうか?、どんな卑怯な手を使うのか?

ああ、そうだ、監督のTwitterを見ないと、何を流すかわからないからな。

HDD録画もしておこう、どこが異常なのかしっかりと見てみないと。

しかし、わかりにくい部分が多い、面倒だが「#ケムリクサ」で検索したら何かわかるかもしれない。

 

水曜日?夜10時半になると東京MXを見てるようにしているんだ、「ケムリクサ」がどれほど変な作品なのか確認したいからね。

エガオノタイカ?ああ、録画してあるから大丈夫、いつか見るよ。

 

 

 

・・・私はもうすでに沼にはまってしまったのである、いや魔法というべきか

 

 

 

アニメ制作などのコンテンツ制作にはスポンサー会社の意向が入る、自社を貶めるようなことはしてはダメ、売り出し中のアーティストを使いたい、いずれグッズ展開をしたいからこの設定は入れないでくれと。

今思っても「けものフレンズ」は異常な作品だったといえる。

「すっごーい」などの独特なフレーズも強烈な印象であったが、何よりも視聴者に飽きさせない工夫や技法があったのが興味深かった、「すっごーい」だけではただの良作アニメになっていただろう。

毎週ごとに徐々に絵が変化するOP、さりげなくSFの匂い感じさせる演出や美術、そして最終回後の趣味の動画、どうぶつビスケッツがMステに出ればオリジナルイラストを投稿。

後半の2つに至っては常識の範疇を超えている、監督が私物化しているとも言われても仕方のない部分ではある。

だからこそ、このずる賢さが、そして丁寧さが「けものフレンズ」というお化けアニメを生んだと考えている。

 

 

「ケムリクサ」はどうだろうか?

「ケムリクサ」の制作方式は制作委員会方式ではなく福原プロデューサーが提唱するパートナーシップ方式の作品だ、コンテンツ制作は制作会社が行い、グッズ化などの権利をスポンサーに販売するといった方式である。

コンテンツ制作が優先されるので自由度が高まるということらしい。

 

これがたつき監督と組み合わせたらどうなるか。

 

最高だ、とても。

録画だったら飛ばしてしまうOP、EPは存在しない。

OPが流れたと持ったらちゃんとしたアニソンだ

録画を飛ばすべきか?いや、今週は何か変わってるかも?

来週と同じ映像を流す次回予告もない。

監督自身が語り人となって新しい動画を上げてくれる。

ニコニコ動画に行けばタダで原作版を見れる。

水曜日夜10時半はとてもワクワクする、無駄を削った分、実質的な放映時間は長くなった、視聴者との一本勝負だ、目を離せない。

わからないことがあったら「#ケムリクサ」で検索しよう。

ああ、もう一度見返したくなってきた。

 

恐ろしい作品である。

情報を発信する方法を分散することで視聴者が情報を探索するように仕向けているのである、これはアニメというよりリアル脱出ゲームに近い感覚だ。

おそらくブルーレイ版にもそういった仕掛けがあるとよかったと思う、ガイドブックや設定資料集があるとありがたい。

「ケムリクサ」の売り方は従来通りのヘビーユーザー向けの売り方だ、しかし、買うための動機付けは変わっている、コレクション目的ではなく、知識欲を満たす目的で買うように仕向けている、この導線の引き方を工夫すればさらに売上が上がるだろう。

 

 

 今だから思う

 

 

けものフレンズ」から離れたことは正しかった と。

2が作られていたら恐らく、面白みが失われていただろう と。

 

「ケムリクサ」はまさしく解き放たれた獣であり自由なのだ

アニメはこんなにも自由で楽しいかを再認識させてくれる。

今後アニメータを目指すのであればすべてを含めて見てほしい作品である。

 

そしては「バーチャルさんは見ている」とは違い、アニメとしての純度を高めた作品と言える、浅草今半とすたみな太郎ばりの違いである。

 

 

このクリエイターの理想郷はどこに進むのかはわからない、でも、確実に一人の人間を満足させているのは確実だ。

 

ああ、まだ語り足りない。

「ケムリクサ」は程よい手抜きと陰影のつけ方で作画崩壊を避けていると当時にキャラを立たせている、一話の導入も素晴らしくできている、このことについては気が向いたら書こうと思う。