空の青さを知る人よ雑感 -「耳をすませば」を観て死にたくなるとはどういうことか-
もう年の瀬ですが前に見た映画の話を
「空の青さを知る人」
友人に誘われて視聴
秩父三部作のラストと言われているが、申し訳ないが「あの花」や「ここさけ」を知らないのである、つまりミリしらの状態で見た感想になる。
見た感じ恋愛ジャンルなのはわかるのだが、正直恋愛ものは、そもそも恋愛をしたことがないのでどういった気分で見ていいのかわからない
というより、恋愛ドラマや、恋愛系のアニメを観ると自分が惨めな気持ちになるので正常な評価ができないのである。
なので避けてきたジャンルである
しかし、「耳をすませば」を見ても特に娯楽作品だなと感じたので勇気を出して観る。
ええい虎穴に入らずんば虎子を得ずだ!
はい、結果的に死にたくなりました(ネタバレありだし、あいみょんファンとか超平和バスターズファンの人は見ない方がいい)
私が死ねば万事解決
ストーリーとしては青春×恋愛ストーリー
高校卒業後の進路に悩みながらもベースを弾き続ける妹あおい
両親の死をきっかけにあらゆる事に諦め地元の公務員として安定した独身の姉あかね
夢を目指し上京したが夢破れ演歌歌手のバックバンドとして地元に帰ってくる慎之介
そして、あおいの練習場所に現れたもう一人の「高校生の慎之介」
「高校生の慎之介」とあおい、慎之介とあかねが織りなす恋愛模様だ
画力、描写、演出はとても良くできてる、「君の名」や「天気の子」よろしくスーパーリアリズムなタッチは劇場版に耐えうるクオリティである。
また、キャラクター造形も良い、あおいのビジュアルが眉が太くて微妙にブサイクなのが等身大の女子高校生らしくて良い。
自由奔放で笑ったり、「高校生の慎之介」に対する恋愛感情に対して葛藤して号泣するシーンはとても素直な女子高校生らしい動きでフレッシュな印象だ、これは見ている学生カップルは共感できるのではないか。
だがしかし、だがしかし、だ
すべてのシーンでストリングスを多用するのはあまりにも幼稚、幼稚すぎる!
ストーリは恋愛ものだが、音楽を通した話でもある「高校生の慎之介」とあおい、慎之介は「ロック音楽」を通してお互いぶつかり合ったり、ハーモニーを重ねていく。
あおいは慎之介に腕前を見せる時、高校生時代アカネと付き合っていた当時に引いていた曲「ガンダーラ」を引いていた
まさしく「音楽で語ってやる!」というあおいの純粋な気持ちが表れている。
「ロック音楽」というストーリーが柱になっているのにBGMがストリングスは絶対にありえないのである。
いちごに練乳ではなくソースを付けて食べるほどの暴挙である!
そのせいで、ストーリーに入り込めずにぼやけた印象になってしまう。
また、最後の展開において、あかねを助けに「高校生の慎之介」とあおいが空を飛んで行っていき、そのバックにあいみょんが流れるシーン
正直観ていられなかった、あかねが落盤で死にそうなときに君たちはなんでイチャイチャしているか?と、あと軽快なあいみょんの曲が耳障りでたまらない、もっと必死になれよ!
そのあとの、あかねと「高校生の慎之介」と対峙するシーンもあかねが高校生当時の姿だったらもっと入り込めるのではないかと思った。
あの空飛ぶシーンに関して、あいみょんを入れたのはおそらくレコード会社の意図で話題づくりではないかと思うし、それに対するスタッフはどうして音楽にこだわらなかったのかと・・・
という感想を映画館近くのすし屋で友人に叫んでいました
友人は私の罵詈雑言を落ち着いて聞いた後素晴らしい回答をいただいた
「君が死ねばいいんじゃない?」
・・・
友人よ・・・きみは正しい!
客層の高校生カップルとしては流行りのあいみょんと泣けるようなストーリー、まさしくデートのための映画ではないか。
地元の中華料理屋でフカヒレ頼むような私の様な客のための映画ではない。
とはいえ「耳をすませば」を見て死にたくなる人の気持ちはわかるようになったのであれば収穫はあった。
次に「耳をすませば」を地上波でやっていた時、慰めてあげようと思う
はぁ~・・・モテたい!