ケムリクサ全話見たら自分はどんなアニメが「好き」がわかった件
「好き」がわかるっていいことだナ!
あなたには運命を感じたアニメに出会えただろうか?
平成はアニメ文化が花開いた時代だった
私はと言うと、いろんなアニメ触れてみたが全く心が動かずどんなアニメが好きなのか迷走していた時期であったと感じる。
しかし、たつき監督に出会ったことでまさしく運命が変わる瞬間に出会った。
せっかく令和が始まったので書いてみようと思う、共感していただく嬉しいし、こんな人がいるんだなと思っていただくと幸いである
端的にまとめると「自分はこんなアニメ好きです!」という自己紹介文になるのだが・・・
完全に独断的な文章なので文句を言われても反論する気力はない、悪しからず
ようこそ夢の世界へ!
私の幼少のころはパソコンやWEBなどはなく、情報はテレビが中心だった。
世間は色々騒がしいことは起きていてもテレビは私にとって面白いものを見せてくれる道具だった。
当時は馬鹿みたいにナウシカやラピュタ、ジャッキーチェンが再放送されていた。
特に私は天空のラピュタが一番好きだった。
ラピュタのパズーがシータを助けるシーンは音楽、映像が完璧にマッチしていて、映像が変わるごとに音楽が変わるあのシーンだけは自分の中で最高のシーンだと思っている。
再放送をしていた魔神英雄伝ワタルを見たり、姉貴が好きな林原めぐみが出るスレイヤーズを一緒に見たりと、アニメの中の世界というのはとても楽しくて輝いていた。
どんなにつらい困難があっても力を合わせれば乗り越えられる!
アニメは私に勇気と笑顔を与えてくれたのだ
そんな時に出会ったのが平成を代表するアニメである
エヴァンゲリオンこわい
エヴァンゲリオンは林原めぐみがレイ役だったのでもちろん姉貴が見ないはずもなかった、もちろん一緒に見た。
そして衝撃を食らった
吹き出す血
ボロボロのレイ
組織の内輪もめ
素っ裸のレイ
謎のクラシック音楽
使徒の攻撃で身もだえするレイ
崩落する都市
おめでとう
ありがとう
思い出しただけでも不気味な気分になる。
当時は夜七時のバカ殿様でおっぱい丸出しもできたのである程度免疫があったが、これは幼少の私にとっては凄まじかった
勇気と笑顔を与えるアニメは、恐怖と不気味を与える存在に変わったのである
深夜アニメで引っかかるエヴァの呪い
私の恐怖と不気味とは裏腹にエヴァンゲリオンは大ヒットした、姉貴は劇場版エヴァを見に行ってしかめっ面で帰ってきたりした。
私もしばらくエヴァのことなんぞ忘れて、ビーストウォーズやポケモンとか見てた
そんな生活を十数年続けていて西暦2000年を迎えた。
2000年代はオタクに対して偏見の目が注がれていた、何か凶悪な事件が起きればやれ2chに書き込みが、こんな残虐なアニメを見てました、ゲーム脳が、宮崎駿はロリコンだとも言われる時代だった。
一般社会がオタクを下に見ていた時代だったし、オタク側も一般社会に対して反感を持っていた。
電車男が流行っていたが、ファンタジー世界のドラマという扱いの空気だった。
その当時の私は嬉々としていた時期でもあった、希望の理系の大学に受かり、女子はいないながらも充実したオタクライフはぐらいは過ごせるだろうと思っていた。
もちろん充実したオタクライフを過ごすことができた、たくさんの友人はできた。
しかし、アニメに関しては恐ろしいほど話が噛み合わないのである。
深夜アニメを見ているという共通の話題にはなるのだが、話が合わない、どのキャラが萌えるとかは話は合うのだが、声優の話題になると置いてけぼりになっていた。
そしてみんな口々にするのである
「エヴァは最高だった、そしてエヴァからいろいろな有名作品が出て行ったんだと」と
「エヴァが好きだからひぐらしとかfateとかにハマちゃうんだよね」と
吐き気を催すほどではないが嫌なフラッシュバックだった。
とはいえNoとは言えない、元々日陰者がさらに追いやられるわけにもいかないので「アッハイ」で済ました、もちろんfateは今も見てないしてひぐらしも読んでいない。
大学生以降私は、アニメを見ながらも何か悶々とした日々を過ごすのである
アニメを見ることが苦痛
2010年代になってやっとアニメやゲームが映画業界と同じような経済として認められるようになり、様々な企業や会社がアニメやゲームに金を注ぎこんでいった。
けいおんブームに始まり、深夜アニメ業界も百花繚乱の時期へ変貌する。
そんな私は就職してあくせくと深夜まで働いていた、俗にいうブラック企業である。
ストレスの影響で私のアニメ偏食は過激化していた。
しかし、職場の仲間も大学生活と同じように話がかみ合わない。
同じアニメ好きの仲間でも流行のアニメを見なければ日陰者扱い、日陰者がさらに日陰に追いやられないためには嫌でもアニメを見なければならない。
原作ありきのおっぱいアニメなんぞ内容のないクソアニメ!(流行ってるから見るけど)
ほんわかアニメも萌えで媚を売るようではクソアニメ、中身で勝負せい!(流行ってるから見るけど)
オリジナルアニメなのになぜお色気で売るなんぞ言語道断!(流行ってるから見るけど)
「好き」を強制させられることほど辛くみじめなものはない。酒を飲むのは好きだが、嫌な上司の愚痴を聞かされながら注がれた酒は飲みたくないのと一緒である。
「まどかマギカ」が一番の苦痛の極みだった。
おもしろい、確かにおもしろい。
設定もしっかりしているし作画も素晴らしい、ほむほむかわいい。
だがなぜ俺の心を捉えてくれないのか?
おっぱいに媚びているのがダメなのか?
不気味な映像がダメなのか?
救いようの無い物語なのがダメなのか?
素直に楽しめない俺が悪いのか?
俺がおもしろいと思っているアニメは何なのか、俺は深夜アニメが嫌いなのか?
自分の迷走がますます加速していく
偏見偏食の極み、そしてけものフレンズ
2015年代に入り、ブラック企業から転職して余裕のある生活を送れるようになったものの私のアニメ観も諦観の念に入ってた。
声優の名前一つも覚えられない自分はアニメオタクでも何でもない、ただの偏食家だ。
同じような人間がいないのであれば自分の道を進むのみ。
おかげで滅茶苦茶なアニメ遍歴が生まれた。
地方局でボトムズやファーストガンダムの再放送があれば好んで見るようになり、あの頃の希望のあるアニメに思いを馳せていき、日曜日はニチアサタイムに入り浸り、深夜アニメに監督オリジナル作品や意欲作、俗にいうクソアニメがあれば見て矛盾点やここがいいと思ったらニコニコ動画に書き込む。
一方、流行りのアニメに関しては大きな資本、有名声優、有名原作、有名スタジオだから売れるし、エヴァやまどマギみたいな人間の残酷な面を見せて、これが人間の本質ですだから美しいんだと語らせれば大半の人は心動くんだろうなと思ったり。
アイドル系ソシャゲのアニメを見るたびカネのかかったPVやなぁ、まあ、これで経済が潤おうんだからWINWINだよなぁ思ったりしていた。
今思っているアニメの現状に対する心の悶々というものはそういうものなのだ、憎いとはいえ向こう側が正しいのだと諦めていた。
そんなことを考えながらgdgdフェアリーズおもしれーなどと自分の背丈にあったアニメを楽しんでいた。
とはいえ流行には遅れたくないので、友人に誘われて「サマーウォーズ」を見たり「おおかみこどもの雨と雪」を見たりした、面白かった、しかし、一切心が動かなった。
アニメーター見本市も一通り見たが、全く心が動かなかった。
そして伝説的なクソアニメに出会うのである。
それを表現するには語彙力と知識が足りぬ
けものフレンズに関してはまさしく衝撃的な出会いだった、面白い、作画やお色気には媚びていない、大したアクションも残酷表現なシーンもない、声優も素人、だが面白い、しかも12話まで面白い、偶然ではない「何か」を持っている。
「何か」が気になった、監督の過去の動画をあさった、そこまで面白いものはなかった、だが「何か」が私の心を動かし、生まれて初めてDVDを買ってしまった。
しかし、誰かが囁くのである。
待て待て、ソシャゲを広めるためのアニメ、デザインも有名作者、所詮は他人のふんどし、しかも完結できなかったではないか、あの監督は先延ばしにして逃げたのだ。
と
そう思っていた矢先9月25日の事件が起きる
自分自身と正体と「何か」の正体を(勝手に)託して
衝撃的なニュースだった、しかし何か期待をしている節もあった。
いま、彼は他人のふんどしを外された、残ったのは多少の実績と業界から干された人という烙印のみ、もしもこのプラマイ0の状態で新作を作ったら「何か」が掴めるのではないのか?
答えが欲しかった、冬コミで朝からirodoriの列に並んだ、そしてあのチラシを受け取るのである
「ケムリクサ制作決定!」と。
そして放映が始まった、周りの評価はどうでも良かった、あの監督の「何か」が知りたかったのだ。
俺は期待した、答えが出ると、あの監督の「何か」が掴めれば自分の悶々とした思いが何なのか分かるのじゃないかと。
ようこそ、夢の世界へ
ケムリクサの12話をすべて見た。
凄かった、そして考えて考え抜いた。
そして見つけた、りんと同じように自分の「好き」を
ふとある疑問を思い出した。
あなたには運命を感じたアニメに出会えただろうか?
出会えた、やっと
この世界に生まれ育ったことがわかる動き、この世界の文化によって生まれた言葉、この世界の時の流れによって形成された背景。
忘れていた、私のアニメは旅をするアニメが好きなんだ、誰も見たことがない世界、誰も触れたことがない文化に触れて見たかったんだ。
だからジブリの世界は好きなんだ、少女終末旅行の世界も好きなんだ、ハクメイとミコチの世界も好き、ゴブリンスレイヤーみたいな殺伐なのが当たり前な世界も好き。
だから嫌いなんだ、現実社会に近いようなアニメは、現実社会で触れたことのある文化、現実社会で見たことがある光景、現実社会で見たことのある文化。
だからエヴァンゲリオンは好きになれなかった。
ケムリクサは私の好きの要件を十分満たしてくれた。
ありがとう、ただありがとうとしか言えない。
このアニメに出会えたことを、自分の悶々とした思いを解いてくれて感謝する。
「好き」を理解できる喜び
自分を何者か語るのは簡単であるが、すべて語りつくすのは難しい。
自分の平成アニメ史は苦悩のままだった、アニメが好きなのに何が好きだったのかわからなかったのだ、この平成の最後にケムリクサを見れてよかったと思う。
さあ、次はどんな面白そうなアニメを見ようか、今年は「プロメア」が面白そうだ、「天気の子」も面白そうだ。
まだまだ私の楽しい夢の世界への旅は続きそうだ!